日本歴史地名大系 「海野浦」の解説 海野浦かいのうら 三重県:北牟婁郡紀伊長島町海野浦[現在地名]紀伊長島町海野長島(ながしま)浦の西南にある。古里(ふるさと)は白(しろ)浦(現海山町)に至る渡船場。海野・古里いずれも出崎があって港湾の形をなすが、直接熊野灘に面し舟だまり場がない。海野の前面には赤野(あかの)島・大エスキ島・小エスキ島があり、荒波を避ける。「神鳳鈔」に「小大野御薗」が記されている。本居内遠の「紀伊国古昔国界考」は「小大野御厨ハ海野浦ト転称シタルカ、コオホノ・カイノ音近シ」と記しているが、「志摩国旧地考」は片田(かただ)村(現志摩郡志摩町)内の大野(おおの)を小大野御薗とし、「北牟婁郡地誌」もこの説を掲載している。赤羽(あかば)神社の文安五年(一四四八)の棟札にみえる島七郷のうち。島七郷とは長島・二郷(にご)・海野・道瀬(どうぜ)・三(み)浦と白・島勝(しまかつ)(現海山町)の七ヵ村。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by