日本大百科全書(ニッポニカ) 「消費動向指数」の意味・わかりやすい解説
消費動向指数
しょうひどうこうしすう
Consumption Trend Index
個人消費の動向や現状を把握するために総務省統計局が毎月算出し、公表している指数。略してCTIともよばれる。日本における世帯の消費支出の平均額をとらえるための世帯消費動向指数(CTIミクロ)と、日本における世帯全体の消費支出総額の推移を推測する総消費動向指数(CTIマクロ)の2種類がある。なお、消費支出総額は、国内総生産(GDP)統計の家計最終消費支出に相当するものである。
消費動向指数は2018年(平成30)1月分から算出が始まった。CTIミクロは、家計調査、家計消費状況調査、家計消費単身モニター調査の結果を合成した支出金額により作成している。家計消費単身モニター調査は、家計調査の単身世帯結果を補完・補強するために2017年8月から毎月実施している調査である。総務省統計局では、従来、家計調査の結果を用いた消費水準指数を算出・公表していたが、CTIミクロの算出開始を受けて、2019年1月分から中止した。
一方、CTIマクロは、CTIミクロ、経済産業省の商業動態統計の小売業計、総務省統計局のサービス産業動向調査のサービス産業計のデータを統計的手法を用いて合成している。CTIマクロの目的は、内閣府の消費総合指数、日本銀行の消費活動指数と同様ではあるが、GDP統計の推計方法と整合的なものではなく、その動きはかならずしもGDP統計の個人消費に沿ったものではない。
[飯塚信夫 2019年3月20日]