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家計調査 かけいちょうさ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

家計調査
かけいちょうさ

国民生活の実態を知るため,家計収入支出の大きさと内容について総務省によって毎月行われる実態調査。 1926年9月から 27年8月にかけて当時の内閣統計局によって行われたのが端緒。第2次世界大戦後の政府による家計調査は 46年7月から消費者価格調査として支出面の調査が実施され,53年以降は家計調査と改称されて今日に及んでいる。調査対象は全国の約 8000世帯で,地域別,世帯類型別,所得階層別,世帯人員数別,世帯主の年齢階級別,世帯主の職業・産業別,勤め先企業規模別,住居の所有関係別などに分けられ,勤労者世帯では収支を,それ以外の一般世帯では支出のみを配布された家計簿に記入する。

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知恵蔵の解説

家計調査

世帯の収入・支出を調べるための総務省による調査。1946年7月から毎月実施。調査世帯は6カ月間、家計簿を記入。勤労者世帯及び無職世帯については、日々の家計上の収入及び支出が、個人営業世帯などの勤労者以外の世帯については支出のみが、調査される。

(上村協子 東京家政学院大学教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

かけい‐ちょうさ〔‐テウサ〕【家計調査】

総務省統計局が、都市世帯の生活状態を知るために、各世帯の収入・支出などについて行う調査。

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百科事典マイペディアの解説

家計調査【かけいちょうさ】

家計の収支構造を分析し消費生活の実態をつかむための調査。ふつう標本調査により国家的に行われる。総理府統計局の家計調査(1953年以降)は,全国168市町村分約8000世帯から層化3段抽出法(第1段−市町村,第2段−単位区,第3段−世帯)によって抽出された非農漁家世帯を対象に,世帯員,住居,収入,支出を調べたもので,毎月発表される。
→関連項目家計消費者物価指数

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栄養・生化学辞典の解説

家計調査

 一家庭の収入と支出を項目別に調査することで,食料の購入状況や医療費支出などから,その家庭の栄養状態や健康状態を判定する材料にする.

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大辞林 第三版の解説

かけいちょうさ【家計調査】

家計の収入と支出に関する調査。結果は消費者行動の分析、生活水準の測定、消費者物価指数の算出などに用いられる。総務省・農林水産省によって行われ、狭義には、総務省による都市世帯を対象とする調査をさす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

家計調査
かけいちょうさ
family budget survey

一般勤労者の生活状態を客観的に把握するために行われる、収入と支出、さらには住居の状況などについての調査をいう。調査の結果は、国民の最低生活の確保、生活水準の向上、貧困家庭の生活保護などの社会政策や、物価や賃金などに関する経済政策、徴税や税負担の公平化などの租税政策等の立案のための基礎資料として用いられる。[高島 忠]

家計調査の起源

18世紀の産業革命後、労働者の都市への集中とともに、その生活の貧困化という現象が生じ、研究者の関心を集めるようになった。18世紀の終わりから19世紀の中ごろにかけて、そのような労働者階級の貧困な生活状況を明らかにする調査がヨーロッパのいくつかの都市住民を対象にして行われたが、それらのなかで、フランスのル・プレーとベルギーのE・デュクペティオーの行った調査は、典型的な労働者世帯を実地に調査し、あるいは具体的な家計簿に基づいたものであり、その手法のうえでも今日の家計調査の原型といわれている。エンゲル係数として知られるエンゲルの統計的業績は、これらの調査結果を分析して得られたものである。[高島 忠]

日本の家計調査

19世紀のヨーロッパと同様の社会的状況の下で、日本で家計調査が公私において多くみられるようになったのは大正から昭和の初期にかけてであった。最初の本格的な家計調査は、1916年(大正5)高野岩三郎によって行われた東京における20世帯の家計簿に基づく調査である。その後数多くの家計調査が行われ、1926年には政府による初めての全国的家計調査が労働問題等の基礎資料を得ることを目的に内閣統計局によって実施された。その時の調査規模は約6500世帯であった。その後政府による家計調査は米価決定の基礎資料を得ることなどを目的に、1931年(昭和6)から戦時の混乱で中断される1943年まで継続して行われたが、結果の刊行は1941年9月調査分までにとどまった。第二次世界大戦前の調査は、調査世帯の選定が給与世帯などの条件付きの公募であった点が特徴的である。
 第二次世界大戦後の政府による家計調査は、敗戦による国民生活の困窮の実態を把握するため、1946年(昭和21)の「消費者価格調査」として家計の支出面の調査を、そして、1948年の「勤労者世帯収入調査」としてその収入面の調査を、それぞれ行うことから始められた。しかし、この二つの調査は、対象世帯を異にするため、家計の収支状況を統一的に把握することができるよう、1951年からは、これらの2調査を統合し、収支の両面を同一対象世帯について調べる「消費実態調査」が開始された。そして、1953年には名称を「家計調査」と改め、漸次、調査の内容と方法を拡大、改正しつつ、2007年(平成19)の統計法改定により、国の重要統計の一つとしての「基幹統計」(旧統計法の「指定統計」に相当)に指定されて現在に至っている。
 現在の家計調査は、全国の全世帯から、市町村、単位区、世帯の層別三段抽出法で選んだ約9000世帯を対象に、「家計簿」に関する調査票を基本とし、それを補う「世帯票」などの調査票によって、世帯員と住居に関する事項、毎月の収入と支出に関する事項、年間収入に関する事項、貯蓄、負債の保有状況について行われている。その結果は、集計されて『家計調査報告』(月報)、『家計調査年報』として総務省(旧総務庁)統計局から公表されている。
 家計調査は、その沿革上の理由から勤労者世帯が対象であったが、1999年7月からの調査では農林漁家世帯も調査対象に含められることになった。単身世帯については、1995年から家計調査とは別に「単身世帯収支調査」が行われることになった。そして2000年からは、「家計調査」とこの「単身世帯収支調査」の結果をあわせた「家計総世帯集計」が四半期ごとに公表されるようになった。その後2002年1月の調査からは、単身世帯も家計調査の対象に加えられることになり、調査対象がそれ以前の8000世帯から現行の9000世帯へと拡大している。[高島 忠]
『総務省統計局編『家計調査年報』各年版(日本統計協会)』

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世界大百科事典内の家計調査の言及

【住宅統計】より

…サンプル数は少ない。住居費を扱った統計としては家計調査(総務庁統計局,毎月),全国消費実態調査(同,5年おき),貯蓄動向調査(同,毎年)がある。そのほか政府機関や自治体による単発調査がある。…

【消費】より

…民間最終消費の大部分は,こうした各家計の消費需要の行動によって説明されるべきものである。家計単位の消費行動を明らかにするために,非農家世帯を対象とした総務庁統計局(1984年6月以前は総理府統計局)の〈家計調査〉や農家世帯を対象とした農林水産省の〈農家経済調査〉などが毎年行われている。これらの資料が国民経済計算における一国の消費支出算定のための基礎資料として用いられていることはいうまでもないが,さらに1家計単位の貯蓄や消費の費目間分割の行動を定量的にとらえるためにも利用されている。…

【消費・家計統計】より

…世帯が生活を営むうえで所得を得,消費財やサービスを購入しあるいは貯蓄をするという経済活動を〈家計〉といい,この家計の状況を把握する統計を消費統計または家計統計という。この家計統計を得る調査のおもなものには,総務庁統計局(1984年6月以前は総理府統計局)が全国の世帯のうち,農林漁家および単身者世帯を除いた世帯を対象として実施している家計調査および農林水産省が農家世帯を対象として実施している農家経済調査がある。 家計調査は,1946年7月に都市を対象に消費者物価指数を作成するために始められた消費者価格調査から発展したもので,62年7月に母集団に郡部を含め調査規模を約8000世帯に拡大し現在に至っている。…

【農家経済調査】より

…調査対象の農家世帯は,経営耕地面積が10a(北海道は30a)以上のものか,それ以外でも農業粗収益(年間)が一定額以上のものであった。調査内容は農業経営と農家家計の両面をふくんでおり,その点で,家計費のみを調査内容とする非農家世帯対象の〈家計調査〉(消費・家計統計)と異なる。標本農家は,現金収支,生産物や生産資材など現物の受払いと消費,家族員の労働時間などを,配布された日計簿に1年間継続して毎日記帳する。…

※「家計調査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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