日本大百科全書(ニッポニカ) 「消費総合指数」の意味・わかりやすい解説
消費総合指数
しょうひそうごうしすう
Synthetic Consumption Index
個人消費の動向や現状を把握するために、内閣府が毎月算出している指数。内閣府の月例経済報告の資料の一つとして公表されている。国内総生産(GDP)の個人消費(正式名称は民間最終消費支出)の推計に近い方法で算出されているため、GDPベースの個人消費の動きを月次で把握するのに役だつ指数である。1994年(平成6)1月以降の各月について指数が算出されている。
消費総合指数は2001年(平成13)5月に算出が始まった。個人消費の統計には、需要側の統計である家計調査のほか、供給側の統計である商業動態統計など数多くのものが存在する。個人消費の基調判断のためには、数多くの統計をあわせみることが必要であるが、個々の統計の動きはかならずしも一致せず、判断が困難なことが少なくない。そこで、当時のGDPベースの個人消費の推計方法に近い形で需要側指数を作成するとともに、財(商品)については商業動態統計(当時は商業販売統計とよばれていた)、サービスについては第三次産業活動指数を用いて、供給側指数を算出した。なお、第三次産業活動指数は公表時期が遅く、それが供給側指数の算出の遅れにつながるという欠点も有していた。
2002年8月に公表された2002年4~6月期のGDP速報から、個人消費の推計が現行のように供給側と需要側を統合する形に変わった。この推計方法を参考に、2003年5月に需要側と供給側の消費総合指数の作成方法を改定し、GDPベースの個人消費と同様に両者を統合する指数の公表も始めた。その後も推計方法の改定を重ねて現在に至っている。
[飯塚信夫 2019年3月20日]
『清水雅之・永野知子・塩川智宏「消費総合指数の作成について」(「景気判断・政策分析ディスカッション・ペーパー」DP/01-2・2001・内閣府)』▽『新家義貴「消費総合指数の改定とその作成方法について」(「景気判断・政策分析ディスカッション・ペーパー」DP/03-5・2003・内閣府)』▽『吉田充「消費総合指数に関する諸課題への検討」(「景気判断・政策分析ディスカッション・ペーパー」DP/16-03・2016・内閣府)』