出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
動作物質として蛍光物質を溶かした液体を用いるレーザー.蛍光を発する色素の溶液を用いるものは色素レーザーとよばれ,Eu3+ などの金属イオンのキレート化合物溶液を用いるものはキレートレーザーとよばれる.色素レーザーの特徴は,色素の蛍光スペクトルの波長範囲が広いので,適当な波長選択法によって単色光の出力をもたせ,かつその波長を連続的に変化させることができる点である.現在では,何種類かの色素を適当に選ぶことにより,近紫外域の長波長部から近赤外域まで連続的にカバーすることが可能である.発振もパルス状だけでなく,連続的な発振も可能で,広い範囲の波長領域で連続的に波長可変の単色光源として有用である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…液体分子の不規則な運動のためスペクトル線が広くなり,励起エネルギーを効果的に集中することができず,発振させることが困難であるからである。レーザー開発が進み各種の強力なレーザーができてくると,これらが液体の励起に使えるようになり,液体レーザー実用の道が開かれた。そこで注目されたのが有機色素である。…
※「液体レーザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」