集積回路は構成技術の面から,膜集積回路,半導体集積回路,混成集積回路の3種に大別することができる。膜集積回路はセラミックスなどの絶縁基板上に導電体や誘電体の膜を形成し,これらを相互接続して集積回路としたものである。しかしこれだけでは複雑な機能を実現することができないため,これに半導体集積回路などを取り付けて回路としたものが混成集積回路である。混成集積回路は,一般に素子に対する要求精度が高い回路,高電力あるいは高耐圧の回路,高周波回路などを作るのに適しており,また,多品種少量生産のために量産効果が期待できないもの,あるいは開発期間が短いために半導体集積回路で実現することが困難な回路にも適している。混成集積回路の性能は,ベースとなる膜集積回路の構成に左右されることが多い。現在のところ,窒化タンタルやニッケル・クロムなどの合金薄膜によるものおよび酸化ルテニウムや銀,パラジウムなどのペースト材料を焼成した,いわゆる厚膜によるものが実用に供されているが,前者は回路素子に対する要求精度がとくにきびしい通信機用などにほぼ限定され,大部分のものは厚膜回路と半導体集積回路との組合せによっている。混成集積回路の具体例としては,オーディオ用の増幅器,D-AおよびA-Dコンバーター,マイクロ波中継器,蛍光表示管ドライバー,自動車用レギュレーターなどがあげられる。
執筆者:金親 良一
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