朝日日本歴史人物事典 「清範」の解説
清範
生年:応和2(962)
平安前期の法相宗の僧で清水寺別当。「しょうはん」ともいう。別称清水律師,清水上綱など。播磨国(兵庫県)の人。興福寺守朝や真興に師事し法相を極めた。長徳3(997)年に維摩会講師を勤め,翌年その功により権律師に任ぜられた。文殊の化身とされ,藤原道長が設けた法会において,文殊と書いた札を隠した僧侶の坐帖を見抜いた逸話が伝えられる。また,説教の名手でもあり藤原定子が設けた法会では万座の人々を感泣させたという。<著作>『般若理趣分経註』
(追塩千尋)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報