律師(読み)りっし

  • りし

百科事典マイペディアの解説

仏教の戒律を解し,よくこれを説くものの意。日本では僧綱(そうごう)の第3位僧尼を統轄する官職。任命の実例は698年。平安時代の826年権律師が設置される。律師の定数ははじめ1人,のち増加して平安末には15人。権律師もはじめの2人から20人となる。
→関連項目慶俊法橋

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大辞林 第三版の解説

戒律をたもち、徳の高い僧。
僧綱の第三位。僧正・僧都に次ぐ僧官。正・権に分かれ、五位に準ぜられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

持律者、律者ともいう。(1)出家者のさまざまな行為の規範である律(りつ)に通暁し、またこれを暗記し、誦(じゅ)して、人々を教化する有徳の者。(2)日本において僧尼の規律を定めた規定集「僧綱(そうごう)」に設けられた官職の一つ。僧正(そうじょう)、僧都(そうず)と合して三綱(さんごう)といい、僧尼を統轄する官職名。のち大・中・小の三律師に分かれたが、その後これを廃し、律師の下の官職に権(ごん)律師が設けられた。1285年(弘安8)律師は五位殿上人(てんじょうびと)に準ぜられた。[坂部 明]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「りっし」の促音の無表記) =りっし(律師)
※宇津保(970‐999頃)国譲下「物も覚えざりしに、りしの加持せしこそ遠くきこえて、助かる心地せしか」
〘名〙
① 仏語。戒律に通じた僧。
※釈日本紀(1274‐1301)一八「律師(リッシ)禅師(せんじ)比丘尼(ひくに)呪禁師(しゅこむのはかせ)造仏工(ほとけつくり)造寺工(てらたくみ)
② 僧綱の一つ。僧正、僧都に次ぐ僧官。正・権の二階に分かれ、五位に準ずる。
※書紀(720)天武一二年三月(北野本南北朝期訓)「僧正(そうしゃう)、僧都(そうつ)、律師(リッシ)を任(ま)けたまふ」

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世界大百科事典内の律師の言及

【三蔵法師】より

…〈さんぞうほっし〉ともよむ。仏教の聖典の経蔵・律蔵・論蔵のそれぞれに精通した人を,経師・律師・論師といい,三蔵のすべてに通暁した人を三蔵比丘・三蔵聖師といったが,とくに有名なのが三蔵法師の呼称であり,ときには略して単に三蔵と呼ぶこともある。一蔵に精通することでさえ難事であるだけに,三蔵に通暁する法師というのは,きわめて尊敬をこめた意味であった。…

【僧綱】より

…624年(推古32)ある僧が斧で祖父をなぐった事件を契機に,百済の僧観勒(かんろく)を僧正(そうじよう),鞍部徳積(くらつくりのとくしやく)を僧都に任じたのが制度的な始まりである。律令制下では僧正,大僧都,少僧都,律師および実務を担当する佐官からなる機構であった。僧尼令によると,僧綱は治部(じぶ)省玄蕃(げんば)寮の統属下にあって,その職務は僧尼名籍と寺院資財の管理,〈法務の綱維〉とよばれる僧尼の統轄や教学の振興をおもな内容とした。…

※「律師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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