朝日日本歴史人物事典 「渋沢喜作」の解説
渋沢喜作
生年:天保9.6.10(1838.7.30)
明治期の実業家。武蔵国(埼玉県)の渋沢文左衛門の長男。渋沢栄一の従兄。成一郎と称す。元治1(1864)年栄一と共に一橋家に仕官し,一橋(徳川)慶喜の将軍就任と共に幕臣となり奥右筆を務める。明治1(1868)年同志と共に彰義隊を組織したが,脱隊して振武軍をつくり,飯能で官軍と戦う。その後箱館の五稜郭の榎本武揚軍に加わる。4年大蔵省入省後,製糸法の調査研究のためヨーロッパに留学。帰国後6年退省し小野組糸店に入社。翌年渋沢商店を開業,横浜に生糸売り込み問屋を,東京深川に廻米問屋を営む。米相場などの投機事業家の側面を持つ人物であった。
(木村昌人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報