渡ヶ島村(読み)わたがしまむら

日本歴史地名大系 「渡ヶ島村」の解説

渡ヶ島村
わたがしまむら

[現在地名]天竜市渡ヶ島・緑恵台りよくけいだい

二俣ふたまた村の西、天竜川右岸にあり、地内で同川支流の阿多古あたご川が合流する。地内とりで山は天正三年(一五七五)徳川家康が武田方の守る二俣城を攻略するため築いたものという(三河物語)。慶長九年(一六〇四)の本田帳(坪井家文書)に村名がみえ、永高九貫三五文。慶長一九年の大坂冬の陣に軍役銭を賦課された当村百姓二一名が皆済を約し、皆済できないときは本人・女子の身売り、または大坂に引連れられても苦情を言わないとしている(「大坂陣軍役銭皆済約束状控」中村家文書)。元和五年(一六一九)の阿多古村指出(中村家文書)によれば永高一〇貫一八三文、うち保寿ほじゆ(現曹洞宗)領七〇〇文・八幡領三〇〇文・大明神領七〇〇文、川成分三貫八九三文を差引いた年貢鐚銭と茶一〇〇斤・紬二端で納めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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