渡島(支庁)(読み)おしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「渡島(支庁)」の意味・わかりやすい解説

渡島(支庁)
おしま

北海道南西部、渡島半島(おしまはんとう)の東部および南部の町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって渡島総合振興局改称・改組された。旧渡島支庁の所管区域は松前、福島、知内(しりうち)、木古内(きこない)、七飯(ななえ)、鹿部(しかべ)、森、八雲(やくも)、長万部(おしゃまんべ)の9町で、支庁所在地は函館市(はこだてし)であった。原則として市域は所管外であるが、函館市・北斗(ほくと)市を含む地域を意味する場合もあり、また実務上も両市を含めて管内とされることが多かった。

 西は檜山(ひやま)支庁(現、檜山振興局)、北は後志(しりべし)支庁(現、後志総合振興局)に接し、南には津軽海峡、東には内浦湾がある。山地丘陵が多く、その間を流れる川は短く、平野に乏しい。北海道の最南端にあたるため気候温暖で、本州に近接する地理的位置により、古くから開けたが、道央を中心とした開発が進むにつれ取り残される傾向となっている。駒ヶ岳(こまがたけ)、大沼など観光地が多い。ホタテガイコンブアワビの養殖、乳・肉牛の生産などの農・漁業が盛ん。工業では石灰岩利用のセメント工業水産加工業が盛ん。

[瀬川秀良]


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