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肉牛 ニクギュウ

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デジタル大辞泉の解説

にく‐ぎゅう〔‐ギウ〕【肉牛】

食肉を得る目的で飼育される牛。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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栄養・生化学辞典の解説

肉牛

 肉生産の目的で飼育するウシ.

出典|朝倉書店
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大辞林 第三版の解説

にくぎゅう【肉牛】

食肉生産のために飼う牛。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

肉牛
にくぎゅう

肉生産を目的として改良されてきたウシの総称。日本で飼養されている主要な肉牛の品種は黒毛(くろげ)和種、褐毛(あかげ)和種、日本短角種、無角和種の4品種の和牛であり、外国種は少ない。和牛、とくに黒毛和種の肉質は世界でも高く評価されている。外国においては、ヘレフォード、アバディーンアンガス、ショートホーン、シャロレーなどの純粋種のほかに、耐暑性、耐病性のあるサンタガートルディス、ビーフマスター、ブラーマンなど、欧州牛とインド牛との交雑種が飼養されている。
 以上は品種による肉牛の定義と分類である。しかし、日本では、現実には前記の和牛や外国種肉牛以外に本来は乳牛であるホルスタインの去勢牛や乳廃牛、それに和牛との交雑牛も肉生産を目的として飼養されているので、農林水産省などの統計では「肉用牛」という広義の用語が用いられている。その肉用牛は「肉用種」と「乳用種」に大別され、黒毛和種などの本来の肉牛は前者に、ホルスタインの去勢牛や乳廃牛および交雑牛は後者に分類されている。
 2011年(平成23)時点で、日本では6万9600戸の農家で、186万8000頭の肉用種と89万4800頭の乳用種、合計276万2800頭の肉用牛が飼養されている。農家1戸当り飼養頭数は39.7頭と零細である。肉用牛の飼養頭数を種別・性別に分類すると、肉用種の雄(去勢)が24.0%、同雌が43.6%、乳用種の雄(去勢)が23.6%、同雌が8.8%である。肉用牛の飼養戸数は、飼養者の高齢化と後継者不足の影響を受けて、著しく減少している。肉用牛の飼養頭数は、1994年の297万1000頭まで増加したが、その後は減少傾向をたどっている。2010年には、肉用種から16万1000トン、乳用種から19万7000トン、合計35万8000トンの部分肉が生産され、同年の牛肉の自給率は42%である。
 前記の和牛は、1965年(昭和40)ごろまでは役利用、厩肥(きゅうひ)利用、肉生産の三つの目的をもって役肉用牛として全国各地で飼養されていたが、その後の農業の機械化や化学肥料の普及により、2011年では肉生産を目的におもに九州(35.6%)、北海道(19.4%)、東北(14.3%)などを中心に飼養されている。2011年の肉用牛経営は、おもに子牛を生産し販売する繁殖経営(85.4%)と、おもに子牛を購入し濃厚飼料を給与して太らせる肥育経営(16.2%)とに大別される(両方を行っているのは1.6%)。
 世界の肉牛頭数は、国連統計(FAOSTAT)が肉牛と乳牛とをあわせた「ウシ」の統計となっているため、不明である。世界のウシの頭数は、2010年現在、約14億2864万頭であり、インド2億1020万頭、ブラジル2億0954万頭、アメリカ9388万頭、中国8380万頭の順になっている。日本のウシの頭数は世界の0.31%である。
 日本では、長く牛肉の輸入を制限してきたが、1991年に牛肉の輸入を自由化した。さらにその後、関税率を引き下げたために牛肉の輸入量が急増していた。そのために、国産牛肉の価格が低下し、1995年からは肉用牛の飼養頭数が減少している。2001年9月には、国内初の牛海綿状脳症(BSE)が発生し、牛肉の生産量と消費量が急減し、価格も暴落した。翌年には生産量、消費量ともに回復したが、2003年12月のアメリカでのBSE発生により、牛肉輸入量全体の4割強を占めていた同国からの輸入が中断され、2004年、2005年の牛肉消費量が減少した。今後は、国際化に対応して安全性の高い高品質牛肉を能率的に生産する肉用牛経営の育成が課題である。なお、アメリカ産牛肉の輸入は2005年12月に再開されたが、2006年1月、同国から輸入した牛肉にBSEの特定危険部位の混入が確認されたため、日本政府はふたたび輸入を停止、現地査察を経て同年7月に輸入再開を決定した。
 2011年3月の東日本大震災による消費減退および福島第一原子力発電所の事故による同年7月の牛肉からの暫定規制値を超える放射性セシウムの検出により、牛肉枝肉価格が大幅に下落した。また順調に拡大していた国産牛肉の輸出が、2010年の口蹄疫(こうていえき)と2011年の原発事故の影響で減少し、関係者は苦境に直面している。しかし、インターネット上で放射性物質検査の状況等を確認できるシステムが関係省庁などによって運用され、安全性の強化が図られている。[甲斐 諭]

畜産技術

肉牛の体形は長方形で胴が太く、頭部と脚部が短小である。繁殖は子ウシ育成との関係から、青草の生育期にあわせて春分娩(ぶんべん)が多い。肉牛の子ウシは、生後6か月で離乳するまで母ウシにつけて哺乳(ほにゅう)させる。雄の子ウシは、優秀な種ウシを残し、そのほかは6か月齢までに去勢する。日本では放牧して育成したのち、さらに濃厚飼料を与えて肥育し、筋肉に脂肪をつける。乳牛の雄の子ウシも同様に育成肥育されて肉牛として利用される。肉牛の雌は一般に15~16か月で種付けされて4、5年間繁殖に使われたのち、肥育して良質の和牛肉に仕上げられる。このほか前述のように、廃用乳牛も短期肥育されて最終的に肉牛として利用される。欧米その他の肉の多量消費国では、肉牛は放牧飼育が主体で、脂肪の少ない赤肉が好まれる。[西田恂子]
『甲斐諭著『肉牛の生産と流通』(1982・明文書房) ▽竹浪重雄・吉田忠編『肉用牛経営の変革』(1987・農林統計協会) ▽田先威和夫監修『新編畜産大事典』(1996・養賢堂) ▽日本農業市場学会編『農業市場の国際的展開』(1997・筑波書房) ▽滝澤昭義・甲斐諭他編著『食料・農産物の流通と市場』(2003・筑波書房) ▽甲斐諭著『食農資源の経済分析――情報の非対称性解消をめざして』(2008・農林統計協会)』

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世界大百科事典内の肉牛の言及

【肉食】より

…なんの役にもたたない廃牛になったとき,はじめて〈と畜〉して食肉にした。例外は役牛にも種牛にもならなかった雄牛で,それらは早めに去勢して肉牛として飼育された。ヨーロッパで牛肉として珍重されたのは肉質のやわらかい去勢雄牛の肉で,英語のビーフbeefの語源ともなった。…

※「肉牛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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