木古内(読み)きこない

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木古内」の意味・わかりやすい解説

木古内(町)
きこない

北海道南西部、渡島(おしま)総合振興局管内の町。津軽海峡に面する。1942年(昭和17)町制施行。町名はアイヌ語の「リロ・ナイ」(潮の差し入る川)に由来する。沿岸干満の差が大きく、満潮時に川が逆流するためという。かつてはJR江差線と海峡線が分岐した交通の要衝で、現在は北海道新幹線木古内駅があり、道南いさりび鉄道線、国道228号が通る。町域は山がちであるが、木古内川などの流域平坦(へいたん)で農業が行われる。米、青刈りトウモロコシジャガイモダイコン、イチゴ、キノコを産し、ハウス栽培と乳・肉牛飼育などとの複合経営が多い。沿岸ではホタテガイウニなどの養殖が行われ、タコ、サケカレイなどの漁獲がある。1月中旬佐女川神社(さめがわじんじゃ)で寒中みそぎ祭りが行われる。面積221.87平方キロメートル、人口3832(2020)。

[瀬川秀良]


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改訂新版 世界大百科事典 「木古内」の意味・わかりやすい解説

木古内[町] (きこない)

北海道南西部,渡島(おしま)支庁上磯郡の町。渡島半島南部にあり,津軽海峡に面する。人口5341(2010)。和人が住むようになったのは15世紀中ごろと伝えられるが,本格的な開拓は1880年代に山形から旧庄内藩士105戸が入植して以降に行われた。農業は米作主体で,酪農は1970年代前半をピークに減少傾向にある。漁業は昭和初期までイワシ漁が盛んであったが,近年は沿岸漁業の不振から養殖漁業への転換がなされ,ワカメ,ノリ,ホタテガイの生産額が増えている。森林が町面積の約80%を占め,その1/3が杉の人工林であるが,幼木が多く,将来にその活用が期待される。JR江差線が通り,津軽海峡線も88年に開通した。
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百科事典マイペディア 「木古内」の意味・わかりやすい解説

木古内[町]【きこない】

北海道上磯郡,津軽海峡に面する町。北海道新幹線,道南いさりび鉄道が通じる。木古内川下流低地は江戸時代から一部が水田化された。アワビ,ウニ,コンブ,ホタテガイなどの栽培漁業,酪農,林業も行われる。東日本大震災で,町内において被害が発生。221.87km2。5341人(2010)。

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