日本大百科全書(ニッポニカ) 「知内」の意味・わかりやすい解説
知内(町)
しりうち
北海道南西部、渡島(おしま)総合振興局管内の町。渡島半島の南東部にあり、津軽海峡に面する。1967年(昭和42)町制施行。町名はアイヌ語のチリ・オチ(鳥のいる所の意)の転訛(てんか)。町域は渡島山地とこれを刻む知内川沿いの平地からなる。国道228号が通じ、中央部をJR津軽海峡線が通り、知内駅があったが2014年(平成26)廃止。和人の来訪は1205年(元久(げんきゅう)2)と古く、砂金採集に訪れたのが最初とされる。道南屈指の稲作地で、米の生産が多い。ほかにニラ、ホウレンソウ、ミツバ、ハクサイなどの野菜生産と、カレイ、ヒラメ、ホッケ、サケ、ホタテガイなどの漁業が行われる。1982年北海道電力知内火力発電所が建設された。火力関連の化学工場のほか、食品加工、木材加工業があり、3工場地区からなる知内町工業団地が造成された。奇岩怪石が連なる南部の矢越(やごし)岬一帯は松前矢越道立自然公園に属する。面積196.75平方キロメートル、人口4167(2020)。
[瀬川秀良]