港町ヴィレムスタット歴史地域(読み)みなとまちヴィレムスタットれきしちいき

世界遺産詳解 の解説

みなとまちヴィレムスタットれきしちいき【港町ヴィレムスタット歴史地域】

1997年に登録されたオランダの世界遺産(文化遺産)。ヴィレムスタット(英:ウィレムスタト)は、キュラソー(オレンジのリキュール)の発祥の地として有名な、カリブ海の小アンティル諸島キュラソー島にある、オランダ領アンティルの都市(人口約12万5000人)。オランダ領アンティルは、カリブ海に2つあるオランダの海外領土のうちの一つで、1634年にスペイン領だったキュラソー島をオランダが奪い、自国の植民地とした。ヴィレムスタットは、プンダと、クイーン・エンマ橋で繋がれた隣のオトロバンダ、他にピエタマアイ、シャローの4つの地区からなっている。プンダはスペインからキュラソー島を奪ったときにつくられた町で、オトロバンダはその後1707年に建設された。4地区には、セント・アンナ湾を守るために建てられたアムステルダム要塞などの要塞をはじめ、17世紀に建造された切妻屋根の家や、パステルカラーの商館などがある。18世紀以降は、南国の風土に合わせたクラサオ・バロック様式(クラサオ=キュラソー)の建造物が建てられ、それらの町並みが評価され、世界遺産として登録された。また、同地区には南米北部地域の独立運動の闘士シモン・ボリーバル(1783~1830年)が逗留した八角堂もあり、観光名所となっている。◇英名はHistoric Area of Willemstad, Inner City and Harbour, Netherlands Antilles

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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