(読み)たたえ

精選版 日本国語大辞典 「湛」の意味・読み・例文・類語

たたえたたへ【湛】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「たたえる(湛)」の連用形名詞化 ) たたえていること。水が満ちていること。また、満潮。みちしお。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「庭草取などして、そのほどの池のたたえに、水かがみ見けるさまを」(出典:俳諧・雑談集(1692)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「湛」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音] タン・チン・シン
[字訓] しずむ・たのしむ・ふける

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は甚(じん)。甚に堪・(たん)の声がある。〔説文〕十一上に「沒するなり」とあり、沈(ちん)と声義が近い。金文の〔毛公鼎〕に「家、艱(かん)に湛(しづ)めり」とあり、それが字の本義。・耽(たん)の諸字と通用し、その義に用いることがある。

[訓義]
1. しずむ、ふかくしずむ、すむ。
2. たのしむ、おぼれる、ふける、ひたす。
3. やすらか、ゆるやか。

[古辞書の訓]
名義抄〕湛 タタフ・シリゾク・タノシ・タノシビ・フカシ・アマネシ 〔立〕湛 タタフ・シヅカナリ

[語系]
湛・tmは同声。は〔説文〕十二下に「樂しむなり」と訓する字。耽・tmと声義に通ずるところがある。

[熟語]
・湛・湛・湛潤・湛湛飲湛掩湛恩湛旱湛患湛歓湛兮湛祠・湛酒・湛寂・湛然湛湛湛澹・湛湛碧湛冥・湛楽・湛露・湛身・湛静湛靖湛漸湛滞湛濁湛没湛密湛湎・湛
[下接語]
旱湛・酒湛・深湛・清湛・浮湛

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