20世紀日本人名事典 「湧上聾人」の解説
湧上 聾人
ワクガミ ロウジン
- 生年
- 明治21(1888)年6月26日
- 没年
- 昭和41(1966)年5月24日
- 出生地
- 沖縄県玉城村
- 別名
- 旧名=平二
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学中退
- 経歴
- 沖縄の農村で生まれるが、6歳ごろ遊泳中に耳を負傷し、聾者となる。養秀中学校に在学中、明治42年にストライキ事件を起こして退学し、上京。攻玉舎中学を経て早稲田大学高等師範部に進み、同校で教鞭を執っていた安部磯雄の薫陶を受けてキリスト教社会主義に開眼した。のち貧民のための学校設立を志して大学を中退し、行商しながら各地を行脚。その途中、福岡で政治家の中野正剛と知り合い、以後その指導と後援を受けた。大正10年村議に選ばれ、政界での活動を開始。次いで15年から3期連続で県議を務めた。また、沖縄の貧民救済に尽力し、昭和6年には沖縄同仁病院を開設。昭和17年の翼賛選挙では中野と共に非翼賛候補として出馬し当選するが、19年に失格した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報