湯坐(読み)ユエ

デジタル大辞泉 「湯坐」の意味・読み・例文・類語

ゆえ〔ゆゑ〕【湯×坐】

《「湯うえ」の音変化で、「うえ」は「据え」と同義かという》上代貴人新生児産湯をつかわせた役目女性一説に、湯殿に奉仕する人、貴人の子の養育者ともいう。
栲幡皇女たくはたのひめみこと―の廬城部連武彦いほきべのむらじたけひことをしこぢて曰はく」〈雄略紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

関連語 名詞 実例 初出

精選版 日本国語大辞典 「湯坐」の意味・読み・例文・類語

ゆえゆゑ【湯坐】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ゆ(湯)うゑ(据)」の変化したものか ) 令制前、貴人の産児に湯をつかわせる役の女性。また、皇子皇女の養育者をもいう。湯殿に奉仕する人の意ともいう。大湯坐(おおゆえ)若湯坐(わかゆえ)があった。湯坐人(ゆえひと)
    1. [初出の実例]「栲幡皇女(たくはたのひめみこ)と湯人の廬城部連武彦とを譖(しこ)ぢて曰はく〈略〉〈湯人、此をば臾衛(ユヱ)と云ふ〉」(出典日本書紀(720)雄略三年四月)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...

俎上の魚の用語解説を読む