湯山池(読み)ゆやまいけ

日本歴史地名大系 「湯山池」の解説

湯山池
ゆやまいけ

[現在地名]福部村湯山など

浜湯山はまゆやま山湯山やまゆやま両集落の間に形成されていた潟湖。東の細川ほそがわ池と通じており、同池を下池とよんだのに対して上池とも称した。現在はない。享保年間(一七一六―三六)から埋立が行われたが、寛政(一七八九―一八〇一)の頃には「周回五十町」の広さを有しており、鯉・鮒・鰻などの魚類を多く産し、とくに小エビは春の末に塩煮として市中に売出され、名物であったという(「因幡志」など)。池の漁業権は湯山村が所持し、池役米を上納した(在方諸事控)

埋立による新田開発は享保年間から和田得中によって始められたが、排水が悪く、新田が水没しつつあったので、文政二年(一八一九)藩は高草たかくさ猪子いのこ(現鳥取市)の奥田善十郎を湯山池新田開方取締人に任命し、本格的な新田開発を行った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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