朝日日本歴史人物事典 「源常」の解説
源常
生年:弘仁3(812)
平安初期の公卿。東三条左大臣と称される。正二位,嵯峨天皇と更衣飯高氏の娘の子。弘仁5(814)年,義兄信 らと源姓を賜って臣籍に下った賜姓一世源氏(いわゆる嵯峨源氏)。平安京の左京一条一坊に宅地を与えられた。父の天皇は「落ちつきはらった行動と品格さわやか」な常を特にかわいがったという。天長8(831)年,従三位(非参議)となり,翌年,参議を経ないで中納言に任じられ,承和11(844)年,33歳で左大臣に至るといった昇進ぶりであった。43歳で死去するまでの10年間は一の人として政治に関与し,「振る舞いは作法に叶って上品で,おだやかな物言い」と評された。死後,正一位を贈られた。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報