朝日日本歴史人物事典 「源賢」の解説
源賢
生年:貞元2(977)
平安中期の天台宗の僧,歌人。摂津守源満仲と近江守源俊の娘の子。頼光の同母弟。幼名は美女丸。多田法眼と号す。出家して比叡山の尋禅や源信に師事し,長和2(1013)年に法橋,寛仁1(1017)年法眼となる。殺生を好む父を源信とはかって出家させたという説話(『今昔物語集』19)がある一方,比叡山無双の悪僧であったとも伝えられている(『清和源氏系図』)。歌人としては,『後拾遺和歌集』に2首入集する他,家集『源賢法眼集』があり,散佚私撰集『樹下集』の選者でもある。一説に『往生要集』を開板したという。
(三橋正)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報