準事務管理(読み)じゅんじむかんり(その他表記)unechte Geschäftsführung ohne Auftrag

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「準事務管理」の意味・わかりやすい解説

準事務管理
じゅんじむかんり
unechte Geschäftsführung ohne Auftrag

本人のためにする意思を欠き,または本人の意思もしくは利益に反する事務管理。たとえば他人の物を無断で自分の物として時価以上の高額で売却したり,他人の特許権を無断使用して巨額の利得をした場合など。準事務管理は民法要件を欠くので,本来は事務管理が成立しない (697条) が,この場合不法行為不当利得を理由に本人が損害損失回復を請求するのでは,必ずしも行為者の利得全部を取戻せないので,事務管理に準じた取扱いをして,行為者に管理義務を課するとともに,利得を本人が回復できるようにするために認められた制度である。ドイツ民法では認められており,日本でもかつては,認める説が通説であったが,今日では不法行為や不当利得の制度で救済をはかれば十分であるとし,この概念を不要とする説が有力である。

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