溝延村(読み)みぞのべむら

日本歴史地名大系 「溝延村」の解説

溝延村
みぞのべむら

[現在地名]河北町溝延

最上川と寒河江さがえ川の合流点北西部に位置し、北東田井だい村、東は最上川を隔てて窪野目くぼのめ(現天童市)。明応五年(一四九六)の松蔵寺幹縁疏(広谷常治氏蔵)に「寒河江之城主、謂式部太夫者、子息四人有之、号嫡男四郎于後式部太夫曰焉、次男備前守是者同国溝延村有居城後白岩居城」とある。慈恩寺舞楽舞童帳(宝林坊文書)によれば、永禄四年(一五六一)一月慈恩じおん(現寒河江市)山内の院家の間に問題が起こり、寒河江・白岩しらいわ(現同上)・溝延の三旦那の意見で解決したことが記され、旦那として「溝延雄広様」、使衆として「自溝延 多多新介」とある。同じく永禄七年四月一六日の東光坊置文写(禅林坊文書)には、箕輪みのわ(現寒河江市)の田地年貢について問題が発生したが、この時も寒河江・白岩・溝延から代官が出て、前代からの書状を検討して解決した。溝延からは畑箭藤兵衛が出席したと記す。溝延は寒河江・白岩とともに、大江氏領内で重要な地位を占め、中条氏・白鳥氏支配下の谷地やちとは趣を異にした。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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