澄心堂紙(読み)ちょうしんどうし(その他表記)chéng xīn táng zhǐ

改訂新版 世界大百科事典 「澄心堂紙」の意味・わかりやすい解説

澄心堂紙 (ちょうしんどうし)
chéng xīn táng zhǐ

中国,五代南唐の烈祖李昪(りべん)(在位937-943)の時につくられた紙。澄心堂は李昪の書斎雅名で,宮中所属の製紙工に命じ,桑皮を材料としてつくらせた優秀なもの。単に良質の紙というよりも工芸品ともいうべきもので,中国として空前絶後,古今第一等といわれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「澄心堂紙」の意味・わかりやすい解説

澄心堂紙
ちょうしんどうし
Cheng-xin-tang-zhi; Chêng-sin-t`ang-chih

中国,五代の南唐の中主李環,後主李 煜 (いく) のとき,宮廷でつくられた最高級の紙。澄心堂は,初代の烈祖李べんが造った建造物で,南唐文化の隆盛を示す美術工芸品ともいうべきもの。原料は桑皮を用い,製品には厚薄2種があり,いずれも詩画のために使用された。清代乾隆帝のとき,厚手の澄心堂紙の模作が行われた。

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世界大百科事典(旧版)内の澄心堂紙の言及

【紙】より

…いま一つは別に模様を彫った木板をできたばかりの紙に強く押しつけるのである。 すぐれた紙には特有の名称があったが,唐に次ぐ〈五代〉の時代に造られた〈澄心堂紙〉について述べておこう。南唐の初代皇帝となった李昪(りべん)が金陵(南京)の節度使であったときに,その私室の名を〈澄心堂〉と呼んだ。…

※「澄心堂紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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