日本大百科全書(ニッポニカ) 「澤穂希」の意味・わかりやすい解説
澤穂希
さわほまれ
(1978― )
女子サッカー選手。9月6日、東京都府中市生まれ。東京都立南野高等学校(現、都立若葉総合高等学校)卒業、帝京大学中退。兄の影響で6、7歳ころからサッカーを始め、地元のサッカークラブで男子と一緒にプレーしていた。1991年(平成3)中学校入学とともに、読売日本サッカークラブ女子ベレーザ(現、日テレ・ベレーザ)に入団し、Lリーグ(なでしこリーグの前身)に出場。1993年、15歳のときにサッカー女子日本代表選手として初めて選出され、1995年にFIFA(フィファ)第2回女子ワールドカップ・スウェーデン大会に最年少選手として出場。続く1996年のオリンピック・アトランタ大会では、日本代表チームのエースとして出場した。1999年、アメリカの女子サッカーリーグのコロラド・デンバー・ダイヤモンズに入団し、2001年(平成13)にアメリカで発足した女子プロサッカーリーグWUSA(Women's United Soccer Association)のアトランタ・ビートに移籍した。2004年帰国し、日テレ・ベレーザに復帰。その後、2004年のオリンピック・アテネ大会、2008年のオリンピック・北京(ペキン)大会(4位入賞)に日本代表として出場した。2011年にINAC神戸レオネッサへ移籍。同年、ドイツで開かれたFIFA女子ワールドカップではキャプテンとして出場し、日本サッカー史上初となるワールドカップ優勝に尽力した。同大会では5得点1アシストで得点王となり、MVPを獲得。同年、菊池寛賞を受賞。さらに、ワールドカップでの活躍により2011年度のFIFAバロンドールを受賞した。2012年オリンピック・ロンドン大会でも代表に選ばれ、銀メダル獲得に貢献。また、2015年にカナダで行われたFIFA女子ワールドカップでは全7試合のうち6試合に出場し、準優勝に貢献した。2015年、現役を引退。
2011年にワールドカップ・ドイツ大会で優勝したチーム・なでしこジャパンは、団体として初めて国民栄誉賞を受賞。同年11月、紫綬褒章を受章した。
[編集部 2016年10月19日]