MF(読み)えむえふ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「MF」の意味・わかりやすい解説

MF
えむえふ

medium frequencyの略称電波を使用上の便宜から周波数により区分したものの一つ。国際電気通信連合(ITU憲章に付属する無線通信規則により、その範囲は、300キロヘルツを超え、3000キロヘルツ以下と定められている。これを波長で表せば1キロメートルから100メートルの範囲となり、メートルによる分類はヘクトメートル波に区分される。

 一般に中波とよばれるが、MFは従来、中波とよんできた概念とはかなり異なっている。つまり、中波は400キロヘルツから535キロヘルツまでの船舶通信バンドと、535キロヘルツから1606.5キロヘルツまでのラジオ放送バンドをさしていた。そして300キロヘルツから400キロヘルツまでは長波の範囲、1600キロヘルツから4000キロヘルツまでをMHF(middle high frequency、中短波)という名でよんでいたのである。これは電波の周波数の差による伝播(でんぱ)特性にあわせたよい区分けであった。1999年にITUの無線通信規則が改正され、現在の範囲となった。

石島 巖]

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