日本大百科全書(ニッポニカ) 「なでしこジャパン」の意味・わかりやすい解説
なでしこジャパン
なでしこじゃぱん
サッカー日本女子代表チームの愛称。2004年のアテネオリンピックのときに日本女子代表チームの愛称を一般公募し、その結果選ばれたものである。日本女性を表す「大和撫子(やまとなでしこ)」ということばから、世界にはばたくことを願い、大和をジャパンにかえてつくられたものである。2011年の第6回FIFA(フィファ)(国際サッカー連盟)女子ワールドカップで優勝、一躍注目を浴びた。
日本女子代表チームは、1981年に結成され、アジア女子選手権に出場した。1991年の第1回FIFA女子世界選手権(第4回から女子ワールドカップ)に参加したがグループリーグで敗退、1995年の第2回女子世界選手権ではベスト8に入り、アトランタオリンピックの出場権を獲得したものの、オリンピックではグループリーグで敗退した。その後1999年の第3回、2003年の第4回女子ワールドカップでもグループリーグ敗退が続いた。しかし、なでしこジャパンの愛称が採用された2004年のアテネオリンピックではベスト8となった。2007年の第5回女子ワールドカップではグループリーグで敗退した。2008年に佐々木則夫(のりお)(1958― )が監督に就任、初采配(さいはい)となる東アジア女子サッカー選手権で優勝、続くAFC(アジアサッカー連盟)女子アジアカップ2008では3位、さらに同年の北京(ペキン)オリンピックでベスト4に進出した。2010年は東アジア女子サッカー選手権で2連覇を達成、第16回アジア競技大会でも初優勝を飾った。
2011年ドイツで開催された第6回女子ワールドカップで、日本はグループリーグを2勝1敗で通過、決勝トーナメント初戦でドイツを1対0、準決勝でスウェーデンを3対1で破り、勝ち進んだ。決勝は一度も勝ったことがないアメリカと対戦、2対2のままPK戦に突入したが、それを3対1で制し、女子ワールドカップ初優勝に輝いた。この大会でキャプテンの澤穂希(さわほまれ)(1978― )が得点王とMVP(最優秀選手)を獲得、チームもフェアプレー賞を受賞した。同年8月、なでしこジャパンは団体として初の国民栄誉賞を受賞。また11月には紫綬褒章(しじゅほうしょう)を受章した。
[編集部]