点苔(読み)テンタイ

デジタル大辞泉 「点苔」の意味・読み・例文・類語

てん‐たい【点×苔】

山水画の重要な技法で、岩石枝幹などについたコケ・小植物を示すために要所に打つ点。

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精選版 日本国語大辞典 「点苔」の意味・読み・例文・類語

てん‐たい【点苔】

  1. 〘 名詞 〙 東洋画の技法の一つ本来は岩石、枝幹などの苔を示すために要所に打つ点であるが、同時に画面全体の調子を整える重要な技巧とされる。
    1. [初出の実例]「近日点苔最憒々、濃淡疎密、略無辨別、卒然下筆、如雀啄一レ地」(出典随筆山中人饒舌(1813)下)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「点苔」の意味・わかりやすい解説

点苔
てんたい
dian-tai

東洋画の点法の一つ。本来,樹木や岩石につく苔を表現する技法であったが,多く皴法 (しゅんぽう) とともに用いられ,南宋以後,墨調,画面の諧調を整えるなどの純粋に視覚的効果のためにのみ用いるようになった。ただし南宗文人画系山水画の重要画法の点描とは区別される。

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