日本歴史地名大系 「烏山町」の解説 烏山町からすやままち 栃木県:那須郡烏山町面積:九二・三五平方キロ郡の南東部、那珂川の中流域に位置し、北は馬頭(ばとう)町・小川(おがわ)町、西は南那須町、南は芳賀(はが)郡茂木(もてぎ)町・市貝(いちかい)町、東は茨城県那珂郡美和(みわ)村・緒川(おがわ)村。東部は八溝(やみぞ)山地の西斜面となっていくつかの細い沢が刻まれ、西部は塩那(えんな)丘陵の南端にあたり、那珂川右岸に合流する中山(なかやま)川・荒(あら)川、町の南部で荒川に合する江(え)川などの小さな谷が形成される。中央部は蛇行しながら南流する那珂川が河岸段丘を形成し、両岸に集落が発達した。標高の最高は西部で三六〇メートルを超え、最低で那珂川沿岸の四五メートル前後である。応永年間(一三九四―一四二八)那須氏が上・下の二流に分裂、「那須記」によれば下那須氏の那須資重は同二五年、下境の稲積(しもざかいのいなづみ)城より烏山城に移っている。以後同城は南那須地方の拠点となった。現町域の中心部は近世以降烏山藩(約三万石)の城下町として発展、また奥州街道の脇往還の役割を果した烏山経由の関街道が南北に走り、那珂川沿いに河岸が開かれていたところから、郡南部の物資の集散地としての賑いをみせた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by