無始(読み)ムシ

デジタル大辞泉 「無始」の意味・読み・例文・類語

む‐し【無始】

万象因縁で成り立っていて、因をいくらさかのぼっても果てしがなく、始めがないこと。転じて、無限に遠い過去大昔
「―よりこのかた生死に流転するは」〈宇治拾遺・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無始」の意味・読み・例文・類語

む‐し【無始】

  1. 〘 名詞 〙
  2. はじめとするときがないこと。どこから始まったか、よくわからないこと。天地未分化の状態。混沌。太初。
    1. [初出の実例]「Muxi(ムシ)。ハジメ ナシ〈訳〉始めのない」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. [その他の文献]〔荘子‐列禦寇〕
  3. ( 果にはかならず因があって、その因はどこまでたどってもはてしがないところから ) 仏語。はじめがないこと。無限に遠い昔。転じて、遠い過去。大昔。
    1. [初出の実例]「無始(ムシ)より五性各別なりと明して」(出典:真如観(鎌倉初))
    2. [その他の文献]〔勝鬘経‐一乗章〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android