無愛(読み)ブアイ

デジタル大辞泉 「無愛」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐あい【無愛/不愛】

[名・形動ナリ]
愛想がないこと。また、そのさま。むあい。
「実房は直衣なほしの袖中門廊の妻戸にさし出すやうにて、―にのみふるまひければ」〈愚管抄・五〉
おもしろくないこと。不都合なこと。また、そのさま。
「此の殿人にもあらぬ者の、宵暁に殿の内より出で入りする、極めて―なり」〈今昔・二三・一六

む‐あい【無愛】

[名・形動]
仏語愛執の心がないこと。
ぶあい(無愛)」に同じ。
木曽―に返事する様は」〈盛衰記二八

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「無愛」の意味・読み・例文・類語

む‐あい【無愛】

〘名〙 (形動)
① 仏語。欲心のないこと。満足してそれ以上の欲求心がないこと。また、そのさま。
教行信証(1224)五「若得於阿耨多羅三藐三菩提已、无愛无疑。无愛无疑即真解脱」
② 愛想のないこと。おもしろくないこと。不都合なこと。また、そのさま。ぶあい。
源平盛衰記(14C前)二八「木曾無愛(ムアイ)に返事する様は」

ぶ‐あい【無愛】

〘名〙 (形動) 愛想のないこと。興ざめなこと。不都合なこと。また、そのさま。むあい。
大鏡(12C前)二「なにがしぬしのひきとどめられけるこそ、いと無愛のことなりや」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android