無板類(読み)むばんるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「無板類」の意味・わかりやすい解説

無板類
むばんるい

軟体動物門双神経亜門に属する1綱。この無板綱Aplacophoraの仲間は、体は長虫状で触角や目を欠く。背面外套(がいとう)膜は厚いクチクラ層で覆われ、多数の骨片があるが貝殻はない。腹面の正中線に沿って細い溝が走り、口と肛門(こうもん)が腹側にある溝腹類(こうふくるい)Solenogastresと、口と肛門が前・後端に開き、腹溝のない尾腔類(びこうるい)Caudofaveoataの2群に大別される。前者ヤギなどの腔腸動物につき、後者は砂泥底にすむ。日本には両者合計15種ぐらいが知られる。

[奥谷喬司]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「無板類」の意味・わかりやすい解説

無板類
むばんるい
Aplacophora; solenogaster

軟体動物門無板綱に属する貝の総称。体は細長い円柱状で貝殻を欠き,前端に口,後端に肛門がある。触角や眼はない。背面は外套でおおわれ,さらにその上を多数の骨片のあるクチクラ層がおおう。腹面は正中線に細い溝が走るが,これは足の名残りと思われる。雌雄同体または異体。通常鰓を欠く (1対の鰓があるものもある) が,肛門の総排出腔に2次的なひだを生じることがある。カセミミズ,ケハダウミヒモなど世界に約 200種,そのうち日本からは約 15種が知られている。

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