総排出腔(読み)そうはいしゅつこう

日本大百科全書(ニッポニカ)「総排出腔」の解説

総排出腔
そうはいしゅつこう

消化管末端が膨大し、生殖輸管(輸卵管、輸精管)や輸尿管が開口する部分をいう。硬骨魚類以外の脊椎(せきつい)動物は、胚(はい)期には総排出腔をもち、両生類、爬虫(はちゅう)類、鳥類では成体になってもそのままであるが、哺乳(ほにゅう)類では総排出腔に仕切りが生じ、消化管(直)と尿生殖系が分離して、体外への開口部もそれぞれ異なっている。無脊椎動物では、輪形動物、線虫類、軟体動物などのあるものに、消化管と尿生殖系が合している部分があり、総排出腔とよばれる。

[八杉貞雄]

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精選版 日本国語大辞典「総排出腔」の解説

そう‐はいしゅつこう ‥ハイシュツカウ【総排出腔】

〘名〙 動物の消化管の末端部と泌尿(ひにょう)生殖器の末端部とが一か所で開口する腔所。多くの脊椎動物にみられるが、哺乳類と硬骨魚類では肛門泌尿生殖器とに分化して別々に開口する。総排泄腔。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「総排出腔」の解説

総排出腔
そうはいしゅつこう
cloaca

消化管の終末であるが,生殖腺,尿管も合流して同時に開口する腔所。脊椎動物 (硬骨魚類,鳥類,単孔類以外の哺乳類を除く) をはじめ多くの動物にみられる。

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世界大百科事典 第2版「総排出腔」の解説

そうはいしゅつこう【総排出腔 cloaca】

総排泄腔ともいう。多くの脊椎動物では,消化管の終末部,左右泌尿器導管である尿管の末端,および左右の生殖腺の導管である精管または卵管の末端は,それぞれ別々に体外へ開口するのではなく,3者共同の単一の腔所でまず会合し,この腔所が単一の外口として外界へ開く。この共同の腔所を総排出腔という。cloacaの語はもとラテン語で下水溝を意味する。その外口をふつう肛門ventというが,正しくは総排出孔cloacal openingである。

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世界大百科事典内の総排出腔の言及

【肛門】より

… 脊椎動物では,消化管の末端が独立の穴として体外へ開口するのは,無顎類のヤツメウナギ,軟骨魚類のギンザメ,肺魚類・総鰭(そうき)類などを除く硬骨魚類,および単孔類以外の哺乳類で,これらの動物の消化管の開口部が厳密な意味での〈肛門anus〉である。これに対して,その他の脊椎動物では,消化管の末端は泌尿器および生殖器の末端とともに〈総排出腔cloaca〉とよばれる1個の腔所にまず合流し,さらにこの腔所がただ1個の穴として体外へ開口する。日本語ではこの開口をも〈肛門〉というが,英語などではこれをvent(通気孔,はけ口の意)とよんで区別する。…

【肛門】より

… 脊椎動物では,消化管の末端が独立の穴として体外へ開口するのは,無顎類のヤツメウナギ,軟骨魚類のギンザメ,肺魚類・総鰭(そうき)類などを除く硬骨魚類,および単孔類以外の哺乳類で,これらの動物の消化管の開口部が厳密な意味での〈肛門anus〉である。これに対して,その他の脊椎動物では,消化管の末端は泌尿器および生殖器の末端とともに〈総排出腔cloaca〉とよばれる1個の腔所にまず合流し,さらにこの腔所がただ1個の穴として体外へ開口する。日本語ではこの開口をも〈肛門〉というが,英語などではこれをvent(通気孔,はけ口の意)とよんで区別する。…

【膀胱】より

…脊椎動物のうち硬骨魚類の輸尿管は肛門の後方に開くが,その直前でふくらんで膀胱となり,尿を一時貯蔵する。軟骨魚類,両生類,爬虫類および鳥類では,輸尿管が直腸末端の総排出腔の背部に開いている。このうち両生類では総排出腔の腹側がふくらんで膀胱となるが,鳥類には膀胱はない。…

※「総排出腔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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