精選版 日本国語大辞典 「無著道忠」の意味・読み・例文・類語
むじゃく‐どうちゅう ムヂャクダウチュウ【無著道忠】
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江戸時代の臨済宗の僧。照冰堂(しょうひょうどう)、葆雨堂(ほううどう)と号する。但馬(たじま)(兵庫県)の人。幼くして出石(いずし)の如来(にょらい)寺にて出家、のち妙心寺竜華院(りゅうげいん)の竺印祖門(ちくいんそもん)(1610―1677)に参じて得法、25歳で竜華院に入る。55歳で京都妙心寺住持となり、退休後は著作に没頭した。江戸時代における臨済宗の代表的な学匠で、生涯の著作は255種、873巻を超えるともされる。禅宗の祖録、経典の校勘や注釈をはじめ、禅語や俗語の研究、清規(しんぎ)の研究など、終始厳密な研究の態度を堅持した。その成果は現代においても十分に評価され、近年、著作の影印本も何点か刊行されている。代表的な著作に『禅林象器箋(ぜんりんしょうきせん)』『葛藤語箋(かっとうごせん)』『百丈清規左觽(ひゃくじょうしんぎさけい)』『虚堂録犂耕(きどうろくりこう)』『正法眼蔵僭評(しょうぼうげんぞうせんぴょう)』『臨済録疏瀹(りんざいろくそやく)』などがある。
[永井政之 2017年10月19日]
『飯田利行著『学聖無著道忠』(1942・青悟堂)』▽『柳田聖山著『禅学研究55 無著道忠の学問』(1966・禅学研究会)』
(志部憲一)
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