煎る(読み)イル

デジタル大辞泉 「煎る」の意味・読み・例文・類語

い・る【煎る/×炒る/×熬る】

[動ラ五(四)]火にかけて、水気がなくなるまで煮つめる。また、鍋などに入れて火であぶる。「豆を―・る」
[補説]「煎」は火で熱し焦がす、「炒」は鍋などで熱し焦がす、油でいためる、「熬」は焦がす、煮つめる意とするが、明確には使い分けにくい。
[可能]いれる
[類語]いり付ける焙じる炒める

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「煎る」の意味・読み・例文・類語

い・る【煎・炒・焦】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 鍋などで、水気のなくなるまで煮つめる。また、あぶりこがす。
      1. [初出の実例]「石密を煮(イル)ときに」(出典:大智度論天安二年点(858)一〇〇)
    2. 特に、罪人大釜にいれて熱し、殺す。
      1. [初出の実例]「重罪をば釜にて煎(イル)事」(出典:信長記(1622)一五上)
    3. 心をこがす。思い悩む。いらだたせる。
      1. [初出の実例]「胸上の炎は心中の肝を焦(イル)」(出典:将門記承徳三年点(1099))
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
    1. 水気のなくなるまで煮つまる。また、こげる。
      1. [初出の実例]「破たる石は再合し、焦(イレ)たる種は再生るとも」(出典:臨済録沢庵抄(1627)秘)
    2. いらだつ。
      1. [初出の実例]「キ ireta(イレタ) ヒト」(出典:日葡辞書(1603‐04))

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