熊野別当屋敷跡(読み)くまのべつとうやしきあと

日本歴史地名大系 「熊野別当屋敷跡」の解説

熊野別当屋敷跡
くまのべつとうやしきあと

[現在地名]新宮別当屋敷町

新宮別当家の屋敷跡。熊野別当は平安時代中期から鎌倉後期にかけて、宗教的には熊野三山検校の支配を受けつつ三山の政治・経済・軍事実権を握り、地方在住の熊野山伏をも支配した熊野修験教団の事実上の統轄者であった。

正嘉二年(一二五八)頃の成立という熊野山別当次第記(熊野速玉大社古文書古記録)は弘仁三年(八一二)補任快慶を初代とし、「熊野別当代々記」にも快慶が第一別当で、その母は榎本氏の出自とあるが、この時代までさかのぼりうるかどうか不明。一一世紀初めの第一〇代別当泰救(泰敬)の頃には事実上の熊野三山別当が存在した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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