化学辞典 第2版 「熱伝導真空計」の解説
熱伝導真空計
ネツデンドウシンクウケイ
thermal conductivity vacuum gauge
希薄気体の熱伝導率は,気体分子の平均自由行程が装置の大きさに比べて大きい範囲の圧力では圧力に依存する.気体のこの性質を利用した真空計を総称して熱伝導真空計という.この種の真空計の代表的なものにはピラニ真空計,熱電対真空計およびサーミスター真空計がある.ピラニゲージおよび熱電対真空計のフィラメントには,普通,タングステン,白金,タンタルなどの細線が用いられ,電気的に加熱して作動させるのであるが,フィラメントの加熱に一定電流を流す方法と,フィラメントに一定電圧を加える方法とがある.いずれの場合にも,フィラメントの温度変化を測定して,そのときの真空度を知るのであるが,フィラメントが一定温度になるように電圧と電流を制御し,そのときの電力の大きさから真空度を知る方法もある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報