父君(読み)ふくん

精選版 日本国語大辞典 「父君」の意味・読み・例文・類語

ふ‐くん【父君】

〘名〙
① 父を敬っていう語。ちちぎみ。
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉八「父君の急病を報知せんと」
② 父のような慈君。
海道記(1223頃)鈴鹿より市腋「民烟の煙は父君心躰を思火よりにきはひ」

ちち‐ぎみ【父君】

〘名〙 父を敬っていう語。父上
万葉(8C後)六・一〇二二「父公(ちちぎみ)に 吾はまな子ぞ 母刀自に 吾はまな子ぞ」

てて‐き【父君】

〘名〙 「ててぎみ(父君)」の略。
多武峰少将物語(10C中)「などかててきの久しく見えざらむとて」

てて‐ぎみ【父君】

〘名〙 父を敬っていう語。ちちぎみ。ててき。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「てて君のわれをおもほし時には」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「父君」の意味・読み・例文・類語

ちち‐ぎみ【父君】

父を敬っていう語。父上。「父君にもよろしくお伝え下さい」⇔母君
[類語]父君ふくん父御尊父御親父

ふ‐くん【父君】

他人の父の敬称。お父上。
[類語]父君ちちぎみ父御尊父御親父

てて‐き【君】

ててぎみ(父君)」の略。
「などか―の久しく見えざらむとて、泣き給へば」〈多武峰少将〉

てて‐ぎみ【父君】

父を敬っていう語。父上。ちちぎみ。
「―の我を思ほしし時には」〈宇津保・菊の宴〉

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普及版 字通 「父君」の読み・字形・画数・意味

【父君】ふくん

父。

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