(読み)ショウ(その他表記)chuáng

デジタル大辞泉 「牀」の意味・読み・例文・類語

しょう【牀】[漢字項目]

[音]ショウ(シャウ)(慣) [訓]ゆか
寝台。長椅子。「牀几しょうぎ臥牀がしょう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「牀」の読み・字形・画数・意味


8画

(異体字)床
7画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] とこ・ゆか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は爿(しょう)。爿は牀の象形で、牀の初文。〔説文〕六上に「身を安んずるの几坐(きざ)なり」(段注本)とあり、牀几をいう。坐して安んずるものと、臥して安んずるものとがあり、〔詩、小雅、斯干〕「載(すなは)ち之れを牀に寢(い)ねしむ」とは臥牀をいう。卜文に爿に従う形の字があり、疾病や夢に関するものが多い。床は牀の俗字である。

[訓義]
1. とこ、ねだい、こしかけ。
2. ゆか、とこ、すのこ。
3. ものの台。

[古辞書の訓]
名義抄〕牀 スフ・ユカ 〔立〕床 ユカ・トコ〔字鏡集〕牀 トコ・ユカ・スフ

[語系]
牀dzhiangは爿dziangと声近く、爿は牀に用いるとともに、また版築の夾板にも用いるものであった。牀は殷金文の形図象にみえるもので、この図象は王族出自のもの。軍事などを統轄したものらしく、將(将)tziang、壯(壮)tzhiangなどにその形が残されている。

[熟語]
牀幃牀帷・牀・牀・牀下・牀几・牀脚牀裙・牀公牀簀・牀・牀牀褥・牀寝牀衽牀垂・牀席・牀前牀張・牀・牀頭牀榻牀辺
[下接語]
帷牀・牀・下牀・牀・臥牀・寒牀・起牀・距牀・吟牀・空牀・胡牀・高牀・簀牀・漆牀・縄牀・寝牀・石牀・禅牀・登牀・榻牀・筆牀・病牀・夜牀

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「牀」の意味・わかりやすい解説

牀 (しょう)
chuáng

中国の家具で,人が寝たり座ったりするための細長い台状のもの。すなわち今日のベッドの類の総称。古代中国では倚座の習慣はなく,その上に席などの敷物をしいて平座し,接客や会食を行う平台としても用いられた。同種の家具に榻(とう)がある。唐代末期以降は,倚座が普及するようになり,以来,一般に,牀はベッド,榻は周囲に囲いのついた高い平座用の台状家具をそれぞれ指していう。一方,漢代の文献に見える〈胡床(牀)〉は,これらとは異なるもので,その名のごとく当時西北地方より伝来した,本来は軍隊の携帯用折り畳み椅子で,後世の交椅,日本でいう床几(しようぎ)に相当する。漢代の画像,宋代以前の絵画に描かれた室内家具や現存する明・清時代の家具遺品を見ると,一般的な平台式ベッドの牀のほか,上部に蓋(おお)いのつく架子牀,榻と同様の周囲に囲いのある羅漢牀,下部を炕(カン)(オンドル)にした炕牀など,さまざまな類型がある。また,日本の正倉院には聖武天皇所用と伝える〈御牀〉が遺る。
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