片俣庄(読み)かたまたのしよう

日本歴史地名大系 「片俣庄」の解説

片俣庄
かたまたのしよう

合志こうし川の上流に注ぐ矢護やご川の上流域にあった大宰府天満宮安楽寺領の荘園。現大津町片又かたまた付近に比定される。建長二年(一二五〇)六月三日の修理別当大鳥居信全所領注進状案(太宰府神社文書)に、先祖相伝所帯屋敷名田等のうちとして、「一、肥後国富納・片俣御灯油納所」とみえ、当庄が富納とみのう(現泗水町富納)とともに安楽寺の灯油納所であったことが知られる。このことは弘安五年(一二八二)四月一七日の信全の養子信朝への譲状(同文書)にもみえている。ただ正和二年(一三一三)九月一六日の鎮西下知状(同文書)によると当時の安楽寺少別当信朝は、前年に出された神領興行法をうけて片俣・富納の両庄は一円神領であるが、大友貞宗押領されているので同法に任せて返して欲しいと鎮西探題に訴えた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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