日本歴史地名大系 「片岡郡」の解説 片岡郡かたおかぐん 群馬県:上野国片岡郡「和名抄」国郡に「加太乎加」と訓を付している。東流する碓氷(うすい)川が烏(からす)川に合する右岸に位置し、近世には現高崎市の寺尾(てらお)・石原(いしはら)・乗附(のつつけ)の三ヵ村が郡域であった。東は緑野(みどの)郡、南は多胡(たご)郡、西は甘楽(かんら)・碓氷の両郡に、北は群馬郡と接する。「続日本紀」和銅四年(七一一)三月六日条に、多胡郡建置に際し当郡の「山等郷」が編入されたことが記され、また多胡碑(現多野郡吉井町)にも郡名がみえる。すでに八世紀初めに郡名がみえるので、大宝律令によって成立した郡とみられよう。「和名抄」には若田(わかた)・多胡・高渠(たかむそ)・佐没(さぬ)・長野(ながの)の五郷を載せる。古代には上毛野君一族の石上部君の勢力範囲とみられる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by