片平信明(読み)かたひらしんめい

精選版 日本国語大辞典 「片平信明」の意味・読み・例文・類語

かたひら‐しんめい【片平信明】

江戸末期・明治の農村指導者。駿河国静岡県)の名主の家に生まれる。明治九年(一八七六)杉山報徳社を興して郷土産業振興努力。また、夜学校設立して補習教育先駆をなした。天保元~明治三一年(一八三〇‐九八

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朝日日本歴史人物事典 「片平信明」の解説

片平信明

没年:明治31.10.6(1898)
生年:天保1.3.15(1830.4.7)
明治期の農業指導者,報徳運動家。駿河国庵原郡杉山村(清水市)名主片平信真の次男。幼名嶺三郎,のち九郎左衛門襲名。窮乏した杉山村の復興のため,旧来特産だった灯油原料の毒荏に代えて茶を導入したが失敗。福住正兄の『富国捷径』を読んで報徳思想に傾倒し,隣村の二宮尊徳門人の柴田順作の指導により明治9(1876)年杉山報徳社を設立,11年近隣の報徳社を糾合して駿河東報徳社を結成,25年社長になる。その間報徳金をもとに山地開墾を促進し,茶,桑,みかんを導入して復興事業を成功に導いた。また,11年設立の杉山報徳学舎に始まる青年教育も有名。<参考文献>大日本報徳社編『杉山報徳社紀要』

(海野福寿)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「片平信明」の解説

片平信明 かたひら-のぶあき

1830-1898 幕末-明治時代の殖産家。
文政13年3月15日生まれ。駿河(するが)(静岡県)庵原郡杉山村の名主。村の主収入源の桐油が,石油などの輸入売れ行き不振におちいると,茶,柑橘(かんきつ)などの栽培を奨励。明治9年柴田順作の指導で杉山報徳社を設立,郷土産業の振興につとめた。明治31年10月6日死去。69歳。通称は九郎左衛門。

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