牛山院(読み)うしやまいん

日本歴史地名大系 「牛山院」の解説

牛山院
うしやまいん

現大口市域北半を占める牛屎うしくそ院から改称されたとされる院名。「三国名勝図会」によれば牛屎と牛山は同院異名で、屎という文字を嫌って山の字に替えたものかとしている。だが改称の時期は不詳。また牛山は牛山城(のち大口城)およびその周辺地域をさして用いられた。文明一六年(一四八四)以後の成立とみられる相良氏山門知行以下由緒書(相良家文書)によれば、長禄二年(一四五八)相良長続は島津忠政より北原氏・菱刈氏らに仲介の労をとった礼として「牛山」を譲り受け、寛正六年(一四六五)島津氏へ返却するまで知行した。城番として始めの三年は永留大膳太夫長連、のちの五年は犬童三郎左衛門尉長直を置いたとあることから、この牛山は牛山城(大口城)をさしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android