牧人の暦(読み)ボクジンノコヨミ(その他表記)The Shepheardes Calender

デジタル大辞泉 「牧人の暦」の意味・読み・例文・類語

ぼくじんのこよみ【牧人の暦】

《原題The Shepheardes Calenderスペンサー詩集1月から12月までの月の名を冠した12編の牧歌からなる。1579年、「価値なき者」の筆名で出版され、シドニーに捧げられた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「牧人の暦」の意味・わかりやすい解説

牧人の暦
ぼくじんのこよみ
The Shepheardes Calender

イギリスの詩人E・スペンサーの牧歌集。1579年刊。「1月」から「12月」までの月の名をもつ12編の詩からなる。恋愛、教訓的寓意(ぐうい)、教会批判、女王賛美、歌合戦、死者への追悼などにわたり、さまざまの詩型と古語新語の使用により、詩作の実験を試みている。また、E・Kなる人物による衒学(げんがく)的な注が付されている。この詩集はサー・フィリップ・シドニーに捧(ささ)げられ、好評を博した。古典古代からの牧歌の伝統をイギリスに移植した、事実上、最初の作品であるのみならず、エリザベス朝叙情詩の代表作の一つでもある。

[藤井治彦]

『熊本大学スペンサー研究会訳『羊飼の暦』(1974・文理書院)』

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