…機織りも粉挽きも出生,成長と結びつく呪術的な仕事であり,娼婦は性という人間の内部にありながら人間を超えるものと結びついている点で,これらの人々も人間生活の二重の相貌の境界に生きる人々であった。このほか皮剝ぎ(皮),羊飼い,犬皮鞣工,家畜を去勢する者なども同時に共同体構成員ではない存在として賤視されていたが,彼らも動物とかかわる点で,人間の共同体を超えた世界と接していたのである。 煙突掃除人,乞食,遍歴楽師,陶工,煉瓦工なども共同体構成員になれない存在であり,特に遍歴芸人のような放浪者は定住民の共同体成員からは怖れられ,賤視される存在であったが,彼らも,土,火,水などとかかわる点で共同体にとって不可欠なものでありながら,他面で危険なエレメントと深くかかわる存在として怖れと賤視の対象とされたのである。…
…しかしキリスト教文化圏では単に羊を信者のシンボルに使うだけでなく,羊をめぐるさまざまのイメージ群を総動員して,キリスト教的世界の構造の総体を表現しようとする試みがなされた。すなわち,羊を信者のシンボルとすれば,羊飼いは信者の保護をつとめとする聖職者,そしてその聖職者に司牧の任を授けるキリストのシンボルとなる(善き羊飼い)。キリスト自身が小羊にたとえられることもあり,〈神の小羊Lamb of God〉はキリストの称号の一つである。…
…旧約聖書では,ヤハウェや王が〈牧者〉に,ユダヤの民が〈羊の群れ〉にたとえられる(《エレミヤ書》《エゼキエル書》《詩篇》など)。新約聖書では,キリストは〈私は善き羊飼いである〉(《ヨハネによる福音書》10:1~18)と語った。ここから,キリスト教会では信徒が〈神の羊の群れ〉に,聖職者が〈牧者〉に,またキリストが〈大牧者〉(《ペテロの第1の手紙》5:3~4)にたとえられる。…
※「羊飼い」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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