物慣れる(読み)モノナレル

デジタル大辞泉 「物慣れる」の意味・読み・例文・類語

もの‐な・れる【物慣れる/物×馴れる】

[動ラ下一][文]ものな・る[ラ下二]
物事になれる。熟練する。「―・れたようすの店員
世事に通じる。世故せこにたけている。「―・れない青年
なれなれしくする。なれて親しむ。
「―・れたるやうに御覧ぜられつるを」〈宇津保・あて宮〉
[類語]慣れる慣らす手慣れる慣れっこ場慣れ口慣らし足慣らし手慣らし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物慣れる」の意味・読み・例文・類語

もの‐な・れる【物馴・物慣】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ものな・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. なれ親しむ。また、なれ親しんで、くだけた態度をとる。
    1. [初出の実例]「音ぎくに物馴にける衣手は涙と共にふりやしぬらむ」(出典:清慎公集(970頃))
  3. 物事になれる。よくなれて巧みになる。習熟する。熟達する。
    1. [初出の実例]「嶋津元より物馴(モノナレ)たる馬上の達者矢継早の手ききなれば」(出典太平記(14C後)八)
  4. 世事に通じている。世故(せこ)にたけている。
    1. [初出の実例]「かやうの事は、ものなれぬ人のある事なり」(出典:徒然草(1331頃)二三四)

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