特定心筋疾患(読み)トクテイシンキンシッカン

デジタル大辞泉 「特定心筋疾患」の意味・読み・例文・類語

とくてい‐しんきんしっかん〔‐シンキンシツクワン〕【特定心筋疾患】

特定心筋症

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六訂版 家庭医学大全科 「特定心筋疾患」の解説

特定心筋疾患(続発性心筋症)
とくていしんきんしっかん(ぞくはつせいしんきんしょう)
Specific heart muscle disease (Secondary cardiomyopathy)
(循環器の病気)

 特定心臓病気ないしは全身性疾患によって引き起こされた心筋疾患は、一括して特定心筋疾患と呼ばれています。普通、心筋症とは別の病気として扱われています。

 特定心筋疾患には、代謝性、内分泌性、膠原病(こうげんびょう)などの全身性、遺伝性神経・筋疾患、毒物中毒性、その他多くの原因による心筋疾患が含まれています。

 特定心筋疾患には極めて数多くのものがあり、以下に代表的疾患について簡単に説明します。

前嶋 康浩

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家庭医学館 「特定心筋疾患」の解説

とくていしんきんしっかん【特定心筋疾患】

 原因の明らかでない特発性心筋症(とくはつせいしんきんしょう)(「特発性心筋症」)とは異なり、原因や全身性疾患との関連がわかっている心筋の病気のことです。大きくつぎの9つに分類されています。
①炎症性
 感染性(ウイルス、細菌、真菌などによるもの)、膠原病(こうげんびょう)、肉芽腫症(にくげしゅしょう)、川崎病
②代謝性
 栄養性(脚気かっけ)、ビタミンD過剰、肥満)、内分泌性(ないぶんぴつせい)(甲状腺機能異常(こうじょうせんきのういじょう)、副腎不全(ふくじんふぜん)、末端肥大症(まったんひだいしょう)、糖尿病、痛風(つうふう))、電解質異常
③中毒性
 アルコール、抗がん剤(とくに塩酸ドキソルビシン)、抗うつ薬、コカインなど
④浸潤性
 アミロイドーシスサルコイドーシスヘモクロマトーシスなど
⑤線維組織形成性(せんいそしきけいせいせい)
 原発性心内膜線維弾性症(げんぱつせいしんないまくせんいだんせいしょう)など
⑥血液性
 白血病(はっけつびょう)、真性赤血球増加症(しんせいせっけっきゅうぞうかしょう)、血栓性血小板減少性紫斑病(けっせんせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)など
⑦過敏性
 ペニシリン、フェニルブタゾン、抗結核薬
⑧遺伝性
 筋ジストロフィー、フリードライヒ失調症など
⑨その他
 低体温、放射線、熱射病など
 原因が判明しているといっても、それぞれの原因疾患から心臓の異常がおこるメカニズムがすべて解明されたわけではありません。それでも、原因となる疾患には治療できるものがありますから、検査を受け、正しい診断を受けることが治療のために重要です。

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