「特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律」によって保護されていた鳥類をいう。この法律は、日米渡り鳥条約締結(1972年3月4日署名)を契機に整備され、同年6月1日に公布された日本の国内法で、絶滅のおそれのある鳥の保護のため、譲渡や輸出入などについて規制した。1986年当時、日本側からヤンバルクイナ、ノグチゲラなど35種および亜種、アメリカ合衆国側からカリフォルニアコンドル、アメリカハクトウワシなど65種および亜種、また日豪渡り鳥条約との関連でオーストラリア側からキジインコ、ヒメフクロウインコなど34種および亜種が、この法律でリストアップされ、一般に特殊鳥類の名でよばれた。この「特殊鳥類の譲渡等の規制に関する法律」は、1993年(平成5)施行の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に吸収されたため、以降「特殊鳥類」という言い方はあまりされなくなっている。
[柳澤紀夫]
「種の保存法」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報