山川 日本史小辞典 改訂新版 「犬目村兵助」の解説
犬目村兵助
いぬめむらひょうすけ
1797~1867.2.23
甲州騒動の頭取の1人。甲斐国都留郡犬目村(現,山梨県上野原市)の水田屋水越市郎左衛門の子。1836年(天保7)甲州騒動で下和田村武七らとともに頭取となり,幕府の裁決では,存命ならば石和(いさわ)宿において磔とあるが逃亡し,永尋となる。逃走日記によると,三島大社を皮切りに信濃の善光寺から安芸の厳島神社,讃岐の金刀比羅宮,さらには高野山・伊勢神宮など各地の名だたる神社仏閣を参詣し,そろばん指南などで糧を得ながら逃走を続けた。口承では,木更津で寺子屋の師匠をしたのち犬目村に戻り余生を送ったという。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報