精選版 日本国語大辞典 「猗頓の富」の意味・読み・例文・類語 いとん【猗頓】 の 富(とみ) ( 「史記‐貨殖伝」などにみえる猗頓の話から ) 莫大な富。巨大な財産。陶朱の富。[初出の実例]「陶朱倚頓(イトン)が富(トミ)といふも、おたまりは有べからず」(出典:洒落本・後編遊冶郎(1802)発語)[その他の文献]〔塩鉄論‐復古〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
故事成語を知る辞典 「猗頓の富」の解説 猗頓の富 巨万の富をいうことば。また、大金持ちのこと。 [使用例] 節義の欠くるところ、王侯の威も屈する能あたわず、猗頓の富も誘うべからずして、甫はじめてもって士と称するに足るのである[穂積陳重*法窓夜話|1926] [由来] 「孔叢子―陳士義」に出て来る話から。紀元前五世紀、春秋時代の中国でのこと。魯ろという国で貧しい生活を送っていた猗頓は、大富豪の陶とう朱しゅ公こうに教えを受けて、たった五匹の家畜から始めて、わずか一〇年で、王や貴族のような莫大な富を築いたということです。また、「史記―貨殖伝」には、猗頓は製塩業で成功したという言い伝えを載せています。 [解説] ここに出て来る陶朱公は、「陶朱の富」という故事成語の主人公。この二人はよく並称されます。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報